私立医学部の学費と言えば、「6年間総額」の金額が最も注目されます。この金額によって受験する学校を選ぶ人は多いです。

そして次に注目されるのが、1年目に必要な金額となる「初年度学納金」です。春と秋に分納が可能とは言え、入学時に用意しておきたい金額として、この数字も意識されます。

ただ以外に見落とされがちなのが、「入学金」の額です。

入学金は返金不可の学校が多い

入学金の額がなぜ重要になるかというと、入学を辞退したときに返金されない学校が多いからです。

近年は入学金を返金する学校が増えているものの、私立医学部では大半が返金不可であり、また返金可能な場合も、実は対象が絞られていたり、期限が短かったりと、厳しい条件がついていることも珍しくありません

入学金返金に関する情報は毎年動きがあるため、別記事で紹介します。

合格時に支払う金額として、入学金以外のお金は時間は多少かかるにしても返金されます

一方で、入学金は全く返ってこない可能性も高いのです。

入学金のランキングは学費ランキングとは異なる

6年間の総額ランキングと、初年度学納金ランキングは、多少の差異はあるものの、そこまで大きな違いはありません。

つまり、6年間総額での学費が安い大学は、初年度も安く、逆に総額が高い大学は、初年度も高い傾向にあります。

これはある意味当然の結果ではあります。一方で入学金は、また別の世界があります。

私立医学部の場合、多くの大学の入学金は100万円~200万円となっています。

学費の総額ほど差があるわけではありませんが、それでも、100万円と200万円では2倍の差があります。

そして、6年間総額が高い大学は全て200万円で、安い大学が全て100万円かというと、そうでも無いのです。

つまり、総額ランキングや初年度ランキングと、入学金ランキングは大きな差があるというわけです。

併願校検討の際には注意を

私立医学部を併願で複数校受ける場合でも、複数校の入学金や初年度納入金を用意することは容易ではないはずです。

注意しておきたいのは、総額の学費や初年度納入金が安いからと受験校に選んだものの、実は入学金が高く、さらにそれが返金不可という情報を事前に知らなかった場合です。

特に順天堂大学や国際医療福祉大学といった学費が安い医学部でも、入学金は決して安くない、ということは頭に入れておいた方が良いでしょう。状況によっては、受験戦略にも影響が出ます。

重要なことは、しっかりと情報を事前に把握してから、受験戦略を立てていくことです。

私立医学部入学金ランキング

2026年4月入学の場合の入学金ランキングです。(6年間総額、初年度も同様。一部は2025年度の学校もあり)

順位大学名金額(円)6年総額順位初年度納入金順位
1位慶應義塾大学200,0007位4位
2位関西医科大学1,000,0003位2位
2位東京慈恵会医科大学1,000,0006位3位
2位自治医科大学1,000,0008位9位
2位大阪医科薬科大学1,000,00011位12位
2位東京医科大学1,000,00012位8位
2位産業医科大学1,000,00013位13位
2位日本大学1,000,00014位14位
2位東海大学1,000,00018位15位
2位近畿大学1,000,00019位16位
2位久留米大学1,000,00020位25位
2位東北医科薬科大学1,000,00021位17位
2位福岡大学1,000,00024位20位
14位国際医療福祉大学1,500,0001位5位
14位日本医科大学1,500,0004位5位
14位東邦大学1,500,0009位7位
14位藤田医科大学1,500,0005位10位
14位昭和医科大学1,500,00010位11位
14位聖マリアンナ医科大学1,500,00016位18位
14位愛知医科大学1,500,00017位19位
14位獨協医科大学1,500,00022位24位
14位杏林大学1,500,00025位28位
14位帝京大学1,500,00026位26位
14位北里大学1,500,00027位27位
25位順天堂大学2,000,0002位1位
25位岩手医科大学2,000,00015位22位
25位兵庫医科大学2,000,00023位23位
25位埼玉医科大学2,000,00028位21位
25位金沢医科大学2,000,00029位30位
25位東京女子医科大学2,000,00030位29位
25位川崎医科大学2,000,00031位31位

入学金ランキングは学費ランキングと違う

入学金ランキングは、「6年総額の学費ランキング」や「初年度納入金ランキング」と明確な違いがいくつかあります。その中でもポイントとなる部分をいくつか紹介します。

慶應は入学金が極端に安い

慶應義塾大学は、入学金が20万円と、医学部の中では極端に安いです。慶應を辞退する層はかなり限られることになりますが、辞退した場合でも返金されない金額は他の大学に比べてかなり低額になります。なお、慶應は入学金の返金は行っていません。

順天堂は入学金を高く設定

順天堂大学医学部は、初年度の納入金が最も安く、また6年間の総額でも2番目の安さです。一方で入学金は200万円と、最も高い大学群に位置しています

初年度納入金は授業料が70万円、施設整備費が20万円の合計290万円(寮費等は除く)と、他大学に比べてかなり安く設定されています。ただ入学辞退者に対しては入学金の返金を行っていないため、辞退者にとっては負担が大きくなります。

6年総額や初年度の安さから入学金も安いかと思っていると、想定外の出費となる可能性があります。

東海・近畿・東北医科薬科・久留米・福岡は総額に対して入学金は低め

6年間の総額では、いずれも18位以下と、真ん中より高い部類に入ってくる東海大学近畿大学東北医科薬科大学久留米大学福岡大学ですが、入学金の額は100万円と、慶應を除けば最も安い部類に入ります。

初年度納入金が比較的高い大学であっても、入学金が低めに抑えられている大学の場合は、入学を辞退したときに返金される額が大きくなります。

併願校選択で迷った場合は、こういった情報を頭に入れておいても良いでしょう。

最新情報には常に注意を

私立医学部の学費に関する情報は、毎年どこかの大学で変更があります

特に入学金については、近年は二重払いにならないような措置が広がっていることもあり、動きも激しいです。

私立医学部の場合は、学費の変動が受験者層や偏差値の変動にも繋がります。

最新情報には常に注意をしておきたいですね。