大学生向けの奨学金と聞いて、最初に思い浮かぶには「日本学生支援機構」の奨学金ではないでしょうか。

日本学生支援機構Japan Student Services Organization、略称: JASSOは文部科学省が所管する独立行政法人であり、「経済的理由で修学が困難な優れた学生等」に対して奨学金事業を行っています。

奨学金事業に加えて、「留学生支援事業」と「学生生活支援事業」を合わせた3つが事業の柱となります。元々は別々に活動を行っていた団体が、2004年に統合されて誕生した組織です。

名前は聞いたことがあっても、実際にいくらの奨学金を受給することが出来るかは、分からない人も多いのではないでしょうか?

この記事では、私立医学部(医学科)に通う場合、日本学生支援機構の奨学金はいくら受給できるのかを、分かりやすく解説します。

※この記事での金額は2025年10月時点での制度設計に基づいた数字です。今後の法改正などにより変更がある可能性があるため、ご注意ください。

日本学生支援機構の奨学金の種類

日本学生支援機構の奨学金には、大きく分けて「給付奨学金」と「貸与奨学金」の2種類があります。

給付奨学金返済の必要が無い奨学金
貸与奨学金卒業後に返済の必要がある奨学金
第一種(無利子)第二種(有利子)がある

これらの奨学金は、それぞれ条件に合わせて併用が可能です。

ただ給付奨学金と貸与の第一種の併用には制限があったり、「修学支援新制度」も関連してきたりと、奨学金の額は単純な足し算にはならないややこしさがあるので、注意が必要です。

給付奨学金

給付奨学金で受給できる金額を理解するには、2020年4月に始まった「高等教育の修学支援新制度」を理解する必要があります。

高等教育の修学支援新制度とは

修学支援新制度とは一部で「大学無償化」とも言われていた制度で、2020年4月に開始されました。

経済的な理由で、大学や専門学校への進学を諦めないようにと設けられた制度で、「授業料の減免」と「給付奨学金」の2つからなります。

つまり、日本学生支援機構の「給付奨学金」は、就学支援新制度の一部ということで、「給付奨学金」を受けている場合は「従業料の減免」も受けることになるため、この両方を合算した金額で考える必要があるのです。

大学無償化は本当?

ここで1つ注意が必要なことが、「大学無償化」という言葉です。

この言葉が一人歩きした感もあるため、全ての大学が無償化になるかのようなイメージを抱いている人もいるのですが、この無償化には「上限」があるため、注意が必要です。

これは、2025年度から始まった子供3人以上世帯(多子世帯)の大学無償化も同じです。無償化という言葉がつきますが、全ての大学が無償になるわけではありません

私立医学部の場合はいくら受給できる?

国や日本学生支援機構の説明には、国公立の大学や専門学校など色々なケースが書かれているため、実際に私立の医学部に通う場合だけに限っていくら受給可能なのかを見てみましょう。

ただ注意が必要なのは、給付奨学金は所得制限が厳しいため、私立医学部に通う世帯で受給する可能性はかなり低い、ということです。

それでも参考までに、「授業料減免」と「給付奨学金」の合計でいくまでカバーできるのか、まとめてみます。

以下注意です。

所得毎に上限がかわるため、所得毎の金額に分けています(それぞれ区分分けされています)
・授業料の減免は正確には「上限」額ですが、私立医学部の授業料は上限を超えるため、上限まで受給出来ます

私立医学部で受けられる高等教育の修学支援新制度の金額

高等教育の就学支援新制度による支援金額は、国立大学、私立大学、専門学校など、学校の種別により異なります。
ここでは、「私立大学医学部」のみに絞り、実際にいくら受給出来るのか紹介します。

授業料の減免額・給付奨学金の額・合計金額(年間)

所得区分授業料減免給付奨学金年間合計
~約270万円※住民税非課税
(満額の減免・受給)
第1区分700,000円自宅通学:
459,600円
(月額: 38,300円)
自宅外通学:
909,600円
(月額: 75,800円)
自宅通学:
1,159,600円
自宅外通学:
1,609,600円
~約300万円
(満額の2/3まで減免・給付)
第2区分466,700円自宅通学:
307,200円
(月額: 25,600円)
自宅外通学:
607,200円
(月額: 50,600円)
自宅通学:
773,900円
自宅外通学:
1,073,900円
~約380万円
(満額の1/3まで減免・給付)
第3区分233,400円自宅通学:
153,600円
(月額: 12,800円)
自宅外通学:
303,600円
(月額: 25,300円)
自宅通学:
387,000円
自宅外通学
:
537,000円

入学金の免除額

就学支援新制度には入学金の免除もあります。これは入学時の所得により決定されるもので、それ以降(1年次の後期以降)に所得が該当する金額になったとしても、さかのぼって免除されることはありません。

所得授業料減免
~約270万円※住民税非課税
(満額の減免・受給)
260,000円
~約300万円
(満額の2/3まで減免・給付)
173,400円
~約380万円
(満額の1/3まで減免・給付)
86,700円

理工農系学部への支援は該当せず

2024年度に中間所得層への支援として設けられた「私立学校の理工農系の学科等に在籍している場合」の授業料減免ですが、獣医学部は対象に含まれているものの、医学部は対象となっていません

多子世帯の場合は?

2025年度からは、新たに多子世帯に対する大学無償化も始まりました(多子世帯への支援自体は2024年度から)。

前述したとおり実際には無償化にはならないのですが、3人以上の子供がいる世帯が対象となるため、医学部に通う世帯では実際に対象になる人もいることでしょう。

多子世帯の場合、「授業料免除額」は所得の金額によらず上限の70万円となりますが、「給付奨学金」の額は所得によって異なるため、注意が必要です。

また入学金の免除額は所得にかかわらず200,000円の満額となります。

所得区分授業料減免給付奨学金年間合計
~約270万円第1区分700,000円自宅通学:
459,600円
(月額: 38,300円)
自宅外通学:
909,600円
(月額: 75,800円)
自宅通学:
1,159,600円
自宅外通学:
1,609,600円
~約300万円第2区分700,000円
自宅通学
:
307,200円
(月額: 25,600円)
自宅外通学:
607,200円
(月額: 50,600円)
自宅通学:
1,007,200円
自宅外通学
:
1,307,200円
~約380万円第3区分700,000円自宅通学:
153,600円
(月額: 12,800円)
自宅外通学:
303,600円
(月額: 25,300円)
自宅通学: 853,200円
自宅外通学: 1,003,200円
~約600万円第4区分700,000円自宅通学: 115,200円
(月額: 9,600円)
自宅外通学: 228,000円
(月額: 19,000円)
自宅通学: 853,200円
自宅外通学: 928,000円
約600万円~無し
(多子世帯)
700,000円無し700,000円

審査は前期と後期の年2回、資産要件もあり

支援の区分を決める審査は、前期と後期の年2回行われます

そのため、前期では基準に達していても後期では達しない場合、金額が変わる場合があります。

また所得だけで無く資産要件もあるため、こちらも注意が必要です。

多子世帯以外の場合は、資産額が5,000万円未満が条件となります。

多子世帯の場合は、授業料等減免が3億円未満、給付奨学金が5,000万円未満となります。

学力基準にも注意

給付奨学金・貸与奨学金共に、家計基準に加えて学力基準も設けられています

給付奨学金の場合、申込時(採用時)の基準は「高校時の評定平均3.5以上」が1つの基準となります。

これを満たせない場合もいくつかの資格基準がありますが、基本的にはこの学力を維持することが目安となります。

進級時にも学力基準、留年すると受給不可に

採用時と同様、学力基準は進級時も設けられています。給付奨学金は毎年学年末に「適格認定」が行われます。

適格認定で問題がある場合は、「警告」「停止」「廃止」のいずれかの処置が執られます。

最も軽い「警告」の基準は、

・修得単位数の合計数が標準単位数の6割以下の場合
・GPA(平均成績)等が下位4分の1の場合
・出席率8割以下など、学修意欲が低いと学校が判断した場合

となります。1回目の「警告」では受給資格は継続しますが、連続して警告を受けると、その事由により「停止」もしくは「廃止」となります

「停止」となるのは、2回目の「警告」の事由が、「GPA(平均成績)等が下位4分の1の場合」のみの場合です。つまりGPAが悪くとも、単位を取得して出席もしていれば、「廃止」にはならず「停止」になるということです。

また廃止の基準には連続の警告以外に、

・修業年限で卒業できないこと(卒業延期)が確定した場合
・修得単位数の合計数が標準単位数の5割以下の場合

というものもあります。つまり、留年が確定するとその時点で採用資格を失います。出席率も条件にあるため、当然のことですが、授業に真面目に出席する必要もあります。なお休学により卒業が延期となった場合には、「廃止」には当たりません。

3浪以上は申込不可

給付奨学金には「大学等への入学時期等に関する資格」に、「高等学校等を初めて卒業(修了)した日の属する年度の翌年度の末日から大学等へ入学した日までの期間が2年を経過していない人」という条件があります。

例えば、2026年3月に卒業する場合は2026年度卒業となり、翌年度の2027年度の末日である2027年3月31日から2年以内、つまり2029年3月31日まで入学する必要があります。実質は、2028年4月入学までが対象となるため、2浪までしか申請出来ないことになります。

貸与奨学金

在学中に借りて卒業後に返還する奨学金

日本学生支援機構の貸与奨学金は、在学中に必要額を借り、卒業後(貸与終了月から数えて7カ月目から)に返還する奨学金です。

無利子の第一種奨学金と、有利子の第二種奨学金の2種類があり、第一種と第二種を併用して貸与することも可能です。

第一種奨学金と第二種奨学金の違い

第一種奨学金と第二種奨学金の大きな違いは前述の通り利子の有無ですが、それ以外にもいくつか違いがあります。

主な違いは以下の通りです。

第一種奨学金第二種奨学金
利子無し有り
学力基準(予約採用時)評定平均3.5以上等学業成績が平均水準以上等
家計基準(予約採用時)生計維持者の貸与額算定基準額が189,400円以下
※第一種・第二種併用の場合:
生計維持者の貸与額算定基準額が164,600円以下
生計維持者の貸与額算定基準額が381,500円以下
給付奨学金との併用所得により調整額に調整(減額)あり調整無し(満額受給可能)

私立医学部で受けられる第一種奨学金・第二種奨学金の金額

実際に私立医学部に通う場合、いくらの奨学金を受給出来るのでしょうか。貸与奨学金は、申請時に受給額を選択可能なのですが、ここれでは、第一種・第二種共に共に最高額を受給した場合、いくらになるのかを紹介します。

第一種奨学金第二種奨学金合計(年間)
自宅通学(最高):
648,000円
(月額: 54,000円)
自宅外通学(最高)
768,000円:
(月額: 64,000円)
1,920,000円
(月額: 160,000円
※医・歯学部の場合のみ、通常最高額の月額120,000円に40,000円の加算が可能です)
自宅通学(最高):
2,568,000円
(月額: 214,000円)
自宅外通学(最高):
2,688,000円
(月額: 224,000円)

給付奨学金は対象が限られますが、貸与奨学金は、私立医学部に通う家庭でも一定数は受給しているため、上記の金額が、日本学生支援機構から受給出来る奨学金の一定程度の目安となるはずです。

ただ、貸与奨学金にもいくつか注意事項があるため、ここからはその点も触れていきます。

「連帯保証人」と「保証人」が必要

貸与奨学金では「連帯保証人」と「保証人」が必要となります。通常のローンや借入であれば、「連帯保証人」はよく出てきますが、日本学生支援機構の場合は、「保証人」も必要という点に注意が必要です。

連帯保証人保証人
誰がなれる?原則として父母またはこれに代わる人原則として4親等以内の親族で本人及び連帯保証人と別生計の人
例)叔父や叔母
保証の範囲は?返還未済額の全額返還未済額の2分の1

「連帯保証人」は父母がなれるため問題ないでしょうが、「保証人」は、別居の祖父母や叔父、叔母らに頼む必要があります。収入の基準もあるため、祖父母が年金生活であれば、頼める可能性がある人も少なくなります

特に医学部に通う場合は、返還金額も大きくなる可能性があるため、保証人になれる人がいたとしても、実際に頼むことは難しいかもしれません。

連帯保証人と保証人の準備が出来ない場合は、「機関保証」を受ける必要があります。

機関保証を受けた場合は、「公益財団法人日本国際教育支援協会」が保証機関となってくれるため、連帯保証人と保証人は不要となります。

一方で、「保証料」を毎月支払う必要があるため、実際の受給額が減ることになります。

機関保証の場合は保証料が必要

保証人の用意が難しい場合に利用できる機関保証は、とても便利なようにも思えます。ただ注意すべきは、「保証料」が必要なことです。

機関保証を利用すると、毎月の受給額は「保証料」を引いた金額となるため注意が必要です。

保証料は、「貸与月額、貸与期間及び返還期間等」に基づいて計算されるため、全ての人で同じになるわけではありません。

保証料の目安金額

目安ではありますが、2025年度の保証料の場合、「貸与期間72カ月(6年)」、「返還回数240回」のケースの保証料を紹介します。実際に保証料を引いた受給金額も合わせて記載します。

貸与月額保証料月額実際の貸与月額
第一種奨学金54,000円(自宅)2,379円51,621円
64,000円(自宅外)2,820円61,180円
第二種奨学金160,000円8,713円151,287円

第一種奨学金と第二種奨学金を併用する場合、保証料を引くと実際には月額で11,000円ほど受給額は低くなるため、注意が必要です。

貸与就学金にも学力基準、多浪生は注意が必要

貸与奨学金も給付奨学金と同様に、家計基準に加えて学力基準が設けられています

第一種奨学金は給付奨学金と同様に「高校時の評定平均3.5以上」が1つの基準となります。

第二種奨学金は、評定平均による基準はありませんが、高校時の成績が「平均水準以上と認められる者」という条件があります。ただ、「特定の分野において特に優れた資質能力を有すると認められる者」と、「進学先の学校における学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると認められる者」という条件もあるため、実質的には、所得基準を満たせば受給が可能です。

多浪生でも受給は可能

給付奨学金は3浪以上の場合は受給出来ませんでしたが、貸与奨学金は多浪生でも受給は可能です。

但し高校を通した申込(予約採用)は2浪までとなっているため、3浪以上となる場合は、進学後に申込(在学採用)をする必要があります。

予約採用であっても在学採用であっても受給額は基本的には変わりませんが、予約採用の方が受給開始が早くなります。また規定上は、在学採用には採用枠が設けられているため、受給が出来ない可能性がある点は注意が必要です。

進学後にも学力基準

給付奨学金と同様に貸与奨学金にも、毎年継続するための「適格認定」が行われます。第一種・第二種ともに共通で、

人物について
学業について
経済状況について

の3つの条件があります。

学力基準となるのは、「学業について」であり、その規定には「修業年限で確実に卒業(修了)できる見込みがあること。なお、卒業(修了)延期が確定した人、又は卒業(修了)延期の可能性が極めて高い人等は、原則「廃止」となります。」とあります。

つまり、留年が確定する原則「廃止」となるため、注意が必要です。貸与期間中は毎年1回、「奨学金継続願」を提出する必要があり、その内容により継続の可否が判断されます。

結局合計の受給額はいくら?

これまで見たように、日本学生支援機構の奨学金は、「給付奨学金」「高等教育の修学支援新制度」「第一種奨学金」「第二種奨学金」と様々あり、一見しただけでは結局いくら受給出来るのかが分かりづらいです。

結局全てを合計した場合、最高いくらまでの受給が可能なのかを見てみましょう。

給付奨学金と第一種奨学金の併用には制限あり

合計額を見る前に1点注意が必要な点が、「給付奨学金」を受給している場合、第一種奨学金の金額は「併給調整」が行われ、満額を受けることが出来ないことです。

区分併給調整後の第一種奨学金の月額
第1区分0円
第2区分0円
第3区分自宅通学: 19,200円
※多子世帯の場合は0円
自宅外通学: 21,700円
※多子世帯の場合は0円
第4区分(多子世帯)0円
多子世帯自宅通学: 0円
自宅外通学: 5,600円

区分や自宅・自宅外通学にもよりますが、給付奨学金の金額は第一種奨学金の最高額より低い場合が多いため、一見すると供給調整により給付額が減るように思えるかもしれません。

ただ実際は、給付奨学金を受けている場合は、「高等教育の修学支援新制度」による授業料減免も受けられるため、給付と減免の合計により、第一種奨学金の金額と同等以上の金額になるようになっています。

最高受給額の合計

それでは、結局合計でいくら受給が可能か、「自宅通学」と「自宅外通学」に分けてまとめてみます。

自宅通学の場合の年間受給額

区分・所得給付奨学金授業料減免額第一種奨学金第二種奨学金年間合計6年間合計
第1区分
※住民税非課税
459,600円700,000円0円1,920,000円3,079,600円18,477,600円
第2区分307,200円466,700円0円1,920,000円2,693,900円16,163,400円
第3区分153,600円233,400円230,400円1,920,000円2,537,400円15,224,400円
第4区分
※多子世帯
115,200円700,000円0円1,920,000円2,735,200円16,411,200円
約380万~約743万(給与所得・4人世帯の場合)0円0円648,000円
※保証料を引く場合: 619,452円
1,920,000円
※保証料を引く場合:
1,815,444円
2,568,000円15,408,000円
※多子世帯(第4区分以外/第一種・第二種併用)0円700,000円0円1,920,000円
※保証料を引く場合:
1,815,444円
26,200,000円15,720,000円
約743万円~1,250万円(給与所得・4人世帯の場合)0円0円0円1,920,000円
※保証料を引く場合:
1,815,444円
1,920,000円11,520,000円

自宅外通学の場合の年間受給額

区分・所得給付奨学金授業料減免額第一種奨学金第二種奨学金年間合計6年間合計
第1区分
※住民税非課税
909,600円700,000円0円1,920,000円3,529,600円21,177,600円
第2区分607,200円466,700円0円1,920,000円2,993,900円17,963,400円
第3区分303,600円233,400円260,400円1,920,000円2,717,400円16,304,400円
第4区分
※多子世帯
228,000円700,000円0円1,920,000円2,848,000円17,088,000円
約380万~約743万(給与所得・4人世帯の場合)0円0円768,000円1,920,000円2,688,000円16,128,000円
※多子世帯(第4区分以外/第一種・第二種併用)0円700,000円67,200円1,920,000円26,872,000円16,123,200円
約743万円~1,250万円(給与所得・4人世帯の場合)0円0円0円1,920,000円1,920,000円11,520,000円

私立医学部ではどれくらいの人が使っている?

前述したとおり、「給付奨学金」については家計の基準が厳しいため、私立医学部への進学者で利用している人はほとんどいないと考えられます。

一方で貸与奨学金はある程度の家計基準はあるものの、一般の会社員家庭であれば利用して私立医学部に進学している人もいます。

では実際にはどの程度の人が日本学生支援機構の貸与奨学金を利用しているのでしょうか。正確な数までは分かりませんが、日本学生支援機構では、「学校毎の貸与及び返還に関する情報」を提供しています。

この情報を見れば、学校毎の貸与者数や新規貸与者数、返還状況等がわかります。

あくまで学校毎のため「医学部・医学科」だけに限った情報ではありませんが、単科医科大学の情報を見れば、ある程度の数値は分かります。但し、看護系の学部・学科などの情報も含まれるため、あくまで参考情報となります。

2023年度の学校毎の貸与状況

学校名貸与者数新規貸与者数学部・学科数総在学生数(2024年度)
東京医科大学142人40人1学部2学科1,091人
東京慈恵会医科大学62人10人1学部2学科896人
東京女子医科大学135人37人2学部2学科1,032人
日本医科大学99人10人1学部1学科
※2026年度に1学部1学科新設へ
754人
聖マリアンナ医科大学101人20人1学部1学科703人
獨協医科大学244人63人2学部2学科1205人
愛知医科大学162人35人2学部2学科1154人
金沢医科大学146人27人2学部2学科980人
川崎医科大学0人0人1学部1学科788人

参考になるのは、医学部医学科の単科しかない「日本医科大学(2026年度からは医療健康科学部を新設)」「聖マリアンナ医科大学」「川崎医科大学」といった大学です。

日本医科、聖マリアンナ医科では約15%程度が利用しています。日医と聖マリでは学費に差がありますが、他の大学の情報を見ても、医学部・医学科での利用は大体1割~2割ではないかと予想されます。

ただ川崎医科大学では、利用者の人数データが表示されず利用者がいないようです。私立医学部の中でも学費が最高額に近い学校では、利用者は少なくなるか、若しくは全くいないと推測されます。