私立医学部受験では、補欠合格・繰り上げ合格が多いことも特徴です。

繰り上げ合格者の数は学校によっても異なり、また同じ学校でも年によって大きく変動があります。

補欠合格はなぜ発生するのか、またその数の多い・少ないに影響を与える要因は何かを解説します。

※なおこの記事では、補欠合格と繰り上げ合格はほぼ同じ意味で使用しております。

国公立・上位校の合格者が辞退するため発生

医学部だけに限った話ではありませんが、繰り上げ合格が発生する主な理由は、上位校の合格者が入学を辞退するためです。

私立医学部の受験(後期を除く)は、国公立(前期)の受験日前に終了し、その結果も国公立の結果発表前に分かります。

国公立の合格者は、多くの場合私立を辞退し、また私立医学部でも、より偏差値が上の学校に合格した場合、下位の学校の入学を辞退するため、繰り上げ合格が発生します。

そのため、私立医学部での補欠合格の大きな変動は、国公立大学の合格発表後に起きます。その後は、3月末、場合によっては4月に入るまで、補欠が回り続けることになります。

医学部では繰り上げのドミノ現象が起きる

私立医学部の補欠合格で特徴的なことが、繰り上げ合格のドミノ現象が起きるということです。

これは、偏差値が上位の学校から補欠が動き、それが下位の学校へと続いていく、という意味です。

そして偏差値帯の最上位に位置するのが、国公立医学部です。もちろん慶應や私立御三家レベルになると、一部の国公立より偏差値が高く、また、一部の国公立の中には、私立の中堅より偏差値が低いこともあります。

それでも、そういった偏差値帯にかかわらず、国公立医学部と私立医学部の併願者はほとんどは、国公立が第一志望です。そのため、最上位である国公立医学部の合格発表後、私立の繰り上げ合格は大きく動き始める、というのは毎年共通の傾向です

具体的には、次のようなパターンとなります。

国公立医学部に合格した人が、先に合格していた偏差値上位の私立大学(A校とします)の入学を辞退します。

そうすると、A校では空き枠が1つできるため、補欠合格者が1人発生します。A校の補欠候補者で繰り上がり対象となる上位補欠番号の学力をもっている受験生の場合、より偏差値が低い学校にも正規合格を持っている可能性が高いです。

A校で繰り上げ合格になった人が、自らが持っていた正規合格の学校(B校とします)を辞退することになります。するとB校でも空きが出来、B校に繰り上げ合格者が発生します。これがC校、E校・・・という風に続いていきます。

国公立併願者や私立上位校の受験者の場合、実際には私立医学部の併願先は数が少ないため、正規合格や補欠上位を何校も持っているということは、実際は少なかったりします。

ただ、私立医学部の中堅上位校で繰り上げ合格の対象となるような人は、より下位の学校で、正規合格や補欠候補者の上位を複数持っていることも珍しくありません。そのため私立中堅上位校が動き始めると、ドミノの動きが活発化します。

正規合格者だけでなく、補欠上位者が抜けると、より多くの補欠候補者に連絡をする必要が出てくるため、形上は1日に何人も繰り上げ合格者が発生することになります(最終的な入学者は、その中の1人ですが)。

もちろん、補欠合格となる人が必ずしも他校に合格しているとは限らないため、上位校で補欠合格者が出たからといって必ず下位校が動くというわけではありません。

ただこのようなケースが多いため、どうしても、偏差値上位の学校の補欠が動いた後に、偏差値中位~下位の学校の補欠が連動して動く、という流れが出来ます。

その流れから、偏差値が下位の学校の補欠合格は、4月に入っても回ることがあるという事態が発生しています。

繰り上げの数に影響を与える要因は?

繰り上げ合格者の数は学校によっても大きく異なり、また、同じ学校でも年によって異なることも珍しくありません。それは複数の要因が影響しているからです。

ただ、私立医学部の要因を見る前に、近年は私立大学全般で補欠合格者が増える傾向があったため、その点にまずは触れておきます。

私立大学で近年補欠合格者の数が増えた理由は、「定員管理の厳格化」の影響のためです。まずはこの定員厳格化に関して、医学部の事情も合わせて簡単に触れておきます。

定員管理の厳格化

定員管理の厳格化は、都市部など一部の人気大学への進学集中を避けることなどを目的に、大学が募集定員を一定以上超える入学者数をだすと、補助金が不交付となるという制度です。

2016年度以降段階的に強化されてきたため、私立大学では定員を超えないようにするために正規の合格者数を絞り、結果として補欠合格者が増える形となっています。

医学部では、国の補助金への依存度が高いこともありますが、学部全体の定員数が国によって決められているため、定員管理が以前よりかなり厳格に行われていました。そのため、基本的には各大学は募集定員以上の入学者は出しません(年によっては若干上回ることはありますが)。

こういった事情から、私立医学部ではある程度の辞退者が出ることも想定しながら、正規合格者数の数を慎重に調節しています。また逆に定員に足らないという自体も発生させないため、最後の1枠まで補欠が回り続ける、という現象が毎年起こっています。

私立医学部の繰り上げ合格者数に影響を与える要因

医学部の繰り上げ合格者数に影響を与える要因は、定員を厳格に管理していること以外に、様々な要因があります。

ここで重要なポイントは、1つの要因だけではなく、複数の要因が絡み合って影響を与えると言うことです。ある条件では繰り上げ合格者数が増える要因に該当したとしても、それを上回る減少要因に該当すると、結果として繰り上げ合格者数が前年よりも減少することになります。

そのため、1つ1つの要因を把握した上で、受験した学校がどの要因に当てはまっているのかを冷静に分析することが重要となります。

以下で、影響を与える要因を1つ1つ紹介していきます。

要因1: 募集定員(一般入試・共テ利用)

私立医学部の定員は、多くの学校で大体110名~120名程度です。もちろん学校によってさらに多い学校もありますが、そこまで大きな差はありません。

一方で、この定員が全て一般入試で募集されるかというと、そうではありません。学校によっては「推薦」入試の枠を設けており、また順天堂大学のように、地域枠の人数が多い学校もあります。

例えば、川崎医科大学は110名の定員に対して、推薦が55名と半数を占め、さらに地域枠もあるため、一般募集の枠は45名しかありません。

このようにそもそも募集定員が少ない学校では、「枠」自体が少なくなるため、定員が多い学校に比べれば、繰り上げ合格は出にくくなります

要因2: 志願者数と受験者数

志願者数と実際の受験者数も影響を与える要因となります。

一般的には、受験者数が増えれば倍率は上がり、正規合格者は学力上位層が占める割合が高くなります。そうなると、より上位の併願先に合格した場合に補欠候補者に合格が回り、結果として繰り上げ合格者数が増えることになります。

逆に受験者数が減れば倍率は下がりますが、その分、正規合格者の学力ラインも下がります。そうすると、より上位の学校を併願している人の合格者も減り、結果として、繰り上げ合格者数は減る要因となります。

受験者数が減って倍率が下がれば受験者にとっても良いようにも思えますが、医学部受験においては、繰り上げ合格者も減る要因になるということで、必ずしも良いとは言えない場合もあります。

要因3: 正規合格者の数

要因1の募集定員と合わせて見なければいけないのが、正規合格者の数です。

定員が多くとも正規合格者の数も多ければ、結果として繰り上げ合格者数の数は少なくなり、逆に正規合格者の数が少なければ、結果として繰り上げ合格者は増える要因となります。そのため定員だけでなく、それに対して正規合格者が何人出ているか、と言うのも重要なポイントとなります。

またこの正規合格者の数がどの程度になるかによって、その大学がその年、どの程度補欠への合格が回るかを想定しているか、という目安にもなります。

例えば、ある年に繰り上げ合格者が少なかった大学は、翌年の入試では正規合格者の数を前年に比べて減らしたりします。正規合格者の数が少ないと言うことは、それだけ辞退者が出た場合に補欠に回りやすくなると言うことであり、繰り上げ合格者の数が増える傾向にあります。

これは逆のケースも当てはまり、前年に比べて正規合格者が増加していた場合、繰り上げ合格者数が減る可能性があります。

募集定員も大切な要素ですが、それだけでなく、その定員に対して何人の正規合格者をだしているか、という点も重要なポイントです。

特に繰り上げ合格は1つの枠を巡って競い合うことになるため、正規合格者数が数人変動しただけでも、影響は少なくありません

正規合格者の数は単年でみるのではなく、同じ大学の直近の結果と比べてみることで、その大学の今年の傾向を多少なりとも予測することが出来ます

要因4: 1次試験の合格者数、2次試験の受験者数

1次試験の合格者数も、要因の1つとなります。

これも前年と比べ見ることで、その大学がどの様に考えているか、想定することが出来ます。

後述しますが、2次試験の日程は複数の大学が被ることが多くなります。また2次試験の日程が遅い大学の場合、複数の大学の合格発表後に2次試験日となります

そのため、1次試験に合格しても、一定数の人は2次試験を欠席します。どの程度の人が欠席するかは大学や日程によりことなりますが、具体例として昭和医科大学(2025年度までは昭和大学)の数字を紹介します。

昭和医科大学は、2025年度入試では1次試験合格者数が400名に対して、2次試験受験者数が319名でした。前年は406名の1次合格に対して、366名が2次を受験、その前年は426名の1次合格に対して389名が2次を受験しています。

年によって違いはありますが、昭和医科大学の場合は、1次試験合格者のうち、1~2割程度は2次試験を欠席しています。またここ数年は1次合格者の数を徐々に減らしているため、それに合わせて2次試験の受験者の数も減っています。

2次試験の欠席者や正規合格の辞退者が多いと予想すれば、大学は1次試験の合格者数を増やす傾向にあり、また逆に2次試験の受験者数を絞ってくる場合は、1次試験の合格者数を減らす傾向にあります。

1次試験の合格者数が増えていれば、前年より2次の辞退者や正規合格の辞退者が増えるかもしれない、という想定が出来ます。結果として、繰り上げ合格者の数も増える要因となります。

またこの後で具体例に触れますが、1次試験の合格者数に対して、2次試験の受験者数が例年以上に減少している場合、上位層が抜けた可能性があるため、繰り上げ合格者数が減る要因となります。

要因5: 試験日程

私立医学部の受験者数は、試験日程により大きく変動します。また受験者数だけでなく、日程により受験者層も変動するため、結果として試験日程は、繰り上げ合格者数に大きな影響を与える要因となります。

一口に試験日程と言ってもその要素は様々です。

受験日にどの様な学校が被るのかはもちろん重要ですが、さらに医学部には1次試験と2次試験があるため、それぞれの日程でも注意が必要です。

加えて繰り上げ合格を考える場合、単純に自分が受験する学校の試験日だけを見ればいいわけではありません。繰り上げ合格となるためには、自分が受験した学校より偏差値上位の学校で合格が発生する必要があります。

そのため、自分が受験する学校の試験日程が、上位校の受験者も併願できる日程かどうか、ということも繰り上げ合格者数に関しては重要なポイントとなります。

このように試験日程と言っても様々な要因があるため、一つ一つ詳しく見ていきます。

1次試験の日程 – 1次試験日同士の被り

まず1次試験の試験日で、複数の学校が同日に被る場合です。

偏差値帯に差がある学校同士が被る場合は、ある程度受験者層が分かれますが、同じ偏差値帯の学校が被る場合、それぞれの学校の受験者数は減る傾向となります。偏差値だけで無く、地域も被る学校であれば、特にその影響は大きいです。

受験者数が減ると言うことは、結果として入学辞退者も減る可能性が高くなり、繰り上げ合格者数も減る要因に繋がります

1次試験日の被りによる志願者数・受験者数の変動は毎年見られる現象のため、このケースの例は挙げれば切りがありません。

一方で繰り上げ合格者という視点で見た場合、偏差値帯が離れた学校同士の被りにも注意が必要です。併願校の候補となる学校が同日に被った場合は、繰り上げ合格者数が減る要因となるからです。

例えば、2025年は2月1日に「日本大学」と「日本医科大学」が被っていました。日本医科大学の受験者にとって、日本大学は滑り止めの候補となる1校です。そのためこの2校が別日程であれば、それぞれを受験していた可能性もあります。

ただ2025年は同日の試験日であったため、結果として「日本大学」にとっては繰り上げ合格者数が減る要因となりました。一方で学力上位層が受験しないと言うことは、正規合格の可能性も高くなるため、どちらが良い悪いというのは全体のスケジュール次第でもあります。

2026年は日本大学は2月1日、日本医科大学は2月2日となっため、この2校の併願はしやすくなっていると言え、日本大学にとっては、前年より繰り上げ合格者数が増える要因になると言えます。

1次試験の日程 – 1次試験と2次試験の被り

私立医学部の試験期間は、1次から2次までの全体を見ればある程度長いため、ある学校の1次試験日に、他校の2次試験日が被ることもあります。

この被りは見落とされがちなポイントでもありますが、被る学校によっては、実際の受験者数に影響を与え、それが繰り上げ合格者数にも影響を与えます

2025年の北里大学は、1次試験日の日に杏林大学の2次試験日の1日目が被りました。他にも、国際医療福祉大学の2次試験(3日目)と岩手医科大学の2次試験(1日目)とも被っていたのですが、この2校はその前年も被っていました。

2025年の年北里大学は、1,891名の出願者に対して受験者は1,573名でした。出願者のうち、318名(16.8%)が受験しなかったことになります。前年は1,995名の出願に対して1,888名の受験だったため、受験をしなかった人数は107名(5.4%)でした。

もちろん、杏林大学の2次試験と被ったことだけが要因では無いとは思われますが、ただここまで大きな変動は、この被りもある程度影響を与えた思われます。

なお杏林は2月1日にも2次試験の日程が設けられていましたが、この日は日大や日医の1次試験日であったため、どちらかと言えば、1月31日を希望した受験者が多かったのではないかとも思われます。

北里と杏林は偏差値は近いため、併願校となりやすい大学です。ただやはり都内にある杏林の方が、若干上位層が多いとは考えられます。加えて2025年は、杏林の1次試験に合格出来る実力を持った層が、北里を受けなかった、という状況にもなります。

北里は近年、毎年大量の繰り上げ合格者を出すことで知られていたのですが、2025年はその人数が大きく減りました。

新校舎効果により入学辞退者が少なかったということも考えられますが、杏林の2次試験と被った結果、複数校に合格できる実力を持った層の受験者が減り、結果として(補欠も含めて)北里しか合格できなかった層の合格が増えた、とも考えられます。

このうにどこの学校と被るかによって、1次試験の受験者層に影響が及び、それが最終的に繰り上げ合格者数にも影響を与えることとなります。

特に1次試験の試験日が、併願となりやすい学校の2次試験日と被った場合は、繰り上げ合格者が減る要因となります

2次試験の日程 – 2次試験と2次試験の被り・2次試験の回数

ここまで1次試験の日程を見てきましたが、2次試験同士の日程が被ることもよくあります。

医学部入試においては、面接をする教授陣が附属病院で働いていることも多く、結果として、土日に2次試験の日程を設定する学校も少なくないことから、1次試験の被りよりも2次試験の日程が被る学校が多い傾向があります

2次試験の日程は多くの学校が複数日を設けていますが、それでもどうしても避けられない被りもあります。

もし2次試験の日程が被った場合、どちらの学校を受験するかは状況次第です。

テストの手応えが良かった学校を選ぶ人もいますが、医学部受験においては、手応えはあてにならないことも珍しくありません。またそれまでにどこかの合格校を持っているどうかによっても、強気で行くか、安全性重視かは変わってきます。

それでも一般的には、より偏差値帯が上位の学校の2次試験を選ぶ傾向の方が強いとは言えます。

こうなると、偏差値帯が下位の学校にとっては、上位層が2次試験を辞退する可能性も高くなり、結果として、繰り上げ合格者数は減少する要因となります。

要因6: 合格発表の日程

私立医学部は、1次と2次の試験があるため、全体としてはどうしても日程が長くなります。

そのため、合格発表の日程と試験日程は、受験者層に影響を与えることになります。

偏差値帯が下位の学校の場合、2次試験の日程前に併願校の合格発表があれば、1次合格者が2次試験を受けず、上位層が抜ける可能性が高まります。結果として、正規合格者や、繰り上げ合格者が減る要因となります。

例えば2024年の聖マリアンナ医科大学は、正規合格者は75人、繰り上げ合格者が68人と、例年に比べて合格者数が非常に少なくなりました。その前の数年は、合計で300人前後出ていたため、一気に半減した形となります。これは日程的な影響があったと推測できます。

2023年まで聖マリは1月に1次試験を行っていましたが、2024年は2月に試験日程を移しました。その結果、志願者数は前年から1,000人近くの大幅増となりました。

ただ、関東の私立医学部の中では慶応と慈恵を除いて一番最後の試験日程としたことで、併願校となりやすい昭和、東邦、順天などの合格発表が2次試験日の前(東邦と順天は2次試験の1日目と同じ)に来ました。

その影響もあってか、1次試験合格者488名に対して、2次試験受験者は335名となり、3割以上もの人が2次試験を受験しませんでした。その前年は524人合格に対して474人受験、さらにその前年は489人合格に対して433人受験と、欠席は約1割程度でしたので、どれだけ多くの人が欠席したかが分かります。

そしてこの欠席者の多くは、聖マリの2次試験の前までに併願校からの合格を得ていた可能性が高い、ということは容易に推測が出来ます。

そのためこの年は辞退者が少ないと学校側も想定し、正規合格者数を大幅に絞りました。正規合格者が絞られれば、繰り上げ合格者は増えやすい傾向にはあるのですが、この年の日程的要因はそれ以上に大きな影響を与え、繰り上げ合格者数もかなり少なくなったのです。

この聖マリの傾向は、同じく2月に試験が行われた2025年も続いています。

このように、特に2次試験の日程が後ろにある学校は、注意が必要となります。

また例年と比べ大幅に日程を変更した大学に関しても、それまでの傾向から大幅に変動する可能性があるため、例年通りと考えるのは危険です。

要因7:新校舎建設・学費値下げ

個別の事情により、一時的に特定の大学の人気が高まることもあります。

近年、私立医学部では新校舎の建設が相次いでいます

オープンキャンパスなどで新校舎を見ると、やはりその大学にひかれてしまうことがあります。

もし同じような地域・偏差値帯の学校に複数合格した場合、新校舎というアピールポイントが、決定のための最後の一押しになることもあります

そのため、特に新校舎や新キャンパスができた年に受験を迎える学校については、その年だけ繰り上げ合格者が回りづらい状況になることもあります。

前述した2025年の北里大学は、日程の要因に加えて、この年に新校舎が完成したことも、影響した可能性があります。

また私立医学部の学費値下げも近年は相次ぎました。学費を値下げした学校は人気が上がり、過去の繰り上げ状況とは異なる動きとなる可能性もあるため、注意が必要です。

例外の大学も

主に中堅~下位の私立医学部受験において、繰り上げ合格者数(補欠の繰り上がり合格)に影響を与える様々な要因を紹介しました。

ただ「川崎医科大学」と「東京女子医科大学」に関しては、そもそもここしか合格を持っていない人も少なくないため、この要因に当てはまらない年も多くあります

私立医学部の中でこの2つの大学が最も偏差値帯が低いと言うことが大きな要因ではありますが、この2大学だけの特殊な事情も影響しています。

川崎は、1次試験を含めて岡山のキャンパスでしか試験を実施していません。他の私立医学部は、地方の大学であっても複数会場を設けるなど、必ず首都圏で1次試験を受験できます。川崎は首都圏で受験できない唯一の私立医学部であり、岡山でしか実施していないという、物理的な壁があります。

女子医に関しては、その名前の通り女子しか受験できず、そもそもの対象者が絞られてしまいます。

加えて、この2大学は学費が高いと言われている私立医学部の中でも、飛び抜けて学費が高いため、私立医学部専願という層であっても、受験候補から外すことも珍しくありません

こういった特殊要因もあり、そもそもの受験者層が限られてしまいます。加えて、ここしか受からないと思ってガチガチの対策をしてくる層も存在しているのです。

そのためこの2つの大学に関しては、数人しか繰り上げ合格にならないこともあるなど、年によってはほとんど補欠への繰り上げが回らないこともあります。

もちろん年によっては変動があるため、毎年数人というわけではないのですが、この2つの大学に関しては、そもそも繰り上げ合格が回りづらいということは、頭に入れておく必要があります。

過去の傾向はあくまで参考、複数の要因で判断を

私立医学部の繰り上げ合格者数は、学校によって一定の傾向があることは確かです。

ただ複数の要因が影響するため、ある年に突然、前年から大きく人数が変動することがあります。

そのため、過去の傾向はあくまで参考程度にとどめておくべきです。

それでも、もし補欠候補者となった場合は、繰り上げがどの程度回るかは気になるところです。

その場合は、まず過去の傾向を確認した上で、複数の要因が影響することを頭に入れて、その年自分が受験した大学にどの様な要因があったかを整理することにより、より冷静な判断へと繋がるはずです。